「保育園に行きたくない」保育士から見た原因と対処法

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はじめまして。元保育士・現ベビーシッターのともと申します。今まで11年間0歳~5歳まで幅広く担任を経験してきました。

朝の忙しい中「保育園・幼稚園に行きたくない!」と言われると本当に困ってしまいますよね。

無理やり行かせてもいいの?

休ませたら癖になる?

本当は寄り添ってあげたいのにうまくいかない。

多くの保護者の方が通る悩みであり、私自身も娘の登園拒否を乗り越えた一児の母です。出鼻を挫くようではありますが、「保育園に行きたくない」を絶対に解決できる方法というものは存在しません。お子さんの一人ひとりに行きたくない理由があり、解決できること、できないことがあるからです。

しかし、気持ちを切り替えるいくつかのコツや、心構えを知ることで、スムーズに登園できるきっかけとなることがありますので、ご紹介致します。

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保育園に行きたくない理由は一人ひとり違う

今まで300組以上の親子と関わる中で、子どもたちの保育園に行きたくない理由に寄り添ってきました。子どもたちは成長とともに複雑な感情を抱くようになります。よくある原因をご紹介いたしますが、いくつかの要素を含む場合もあります。

【0歳】

・人見知りが始まった。

【1.2歳】

・保護者の方と離れるのが不安。

・なんでもお母さんじゃないと嫌な時期。

・保育園は楽しいけど、保護者の方が好き!という自己表現。

・「自分でやりたい」のに思うようにできなかなかったことによる不満。

・入園や進級直後で不安定。

・体調不良や寝不足による不機嫌。

・休日にお出かけして疲れている。

【3歳以上】

・友達関係で不安、嫌なことがある。

・やりたくない、できるか不安な活動がある。

・先生が怖い。

・お母さんが妊娠中または妹弟が産まれて気持ちが不安定。

・進級など生活の変化への不安。

・生活習慣の乱れ、疲労の蓄積。

基本となる対策

子どもが行きたがらない原因に心当たりがある方もない方も、まずは基本となる日々の生活の部分を見直していきましょう。

  • 早寝早起きに全力を注ぐ。

「いきなりそんなこと?」と思われるかもしれませんが、登園時に泣く子どもは、就寝時間が遅い場合が多いです。寝不足でイライラするのは大人も子どもも同じ。できる限り、すっきりした状態で朝を迎えることに全力を注ぎましょう。(簡単な話ではありませんが大切なことです。)

また休日にお出かけすることも多いかと思います。大人の感覚で夜まで外出してしまうと、子どもは体力を制御できず全力で遊ぶので当然疲れます。登園前日の夜は自宅でゆっくり過ごせるように日程調整が大切です。

  • 朝の過ごし方を見直す。

何時に起きて、食事・着替え準備に何分かかり、何時に家を出れば良いでしょうか。そこに子どもの要求を満たす時間はあるでしょうか。子どもの要求とは、例えば「抱っこして」「一緒にご飯食べたい」など。これらはわがままではなく、甘えたい・受け入れてもらいたい気持ちです。全てを叶えることは難しいですが、5分、いや3分でしたらどうでしょうか。何かをしながらではなく、子どもの顔を見て、100%子どもに意識を向ける時間をつくってみてください。寝起きに3分、ベッドで一緒にごろごろするのもいいですね。

  • 子どもの気持ちを否定せず、一旦受け止める。

子どもは泣くことで「離れたくない」という感情を精一杯伝えようとしています。保護者の方との間に愛着がしっかり形成されているからこそですね。

物事の感じ方は、大人と子どもで全く違います。大人にとって些細な事でも、経験値の少ない子どもにとっては強い不安に繋がる場合もあります。「そんなことで、いちいち泣かないで」と主観的な言葉、否定の言葉をかけると、子どもはどうにか気持ちを受け止めてもらおうと、さらに泣いて訴えてくるかもしれません。「行きたくないんだね」と共感する。気持ちを受け止めることと、要求を受けいれることとは別問題です。

子どもは「受け止めてもらえた」と感じることで、気持ちが落ち着いて、少しずつ他のことに目が向いていきます。

1~3歳頃の場合

3歳未満のお子さんは、衝動や欲求を制御する脳の機能がまだ未熟です。見通しを持つ(遊んでいたらお迎えが来ると理解する)ことも難しい場合が多く、登園に苦労する保護者の方が多い年齢です。

基本の対策を心がけた上で、気持ちの切り替えが難しい年齢の子どもたちが、できる限り楽しい雰囲気で登園できるようなコツをいくつかお知らせします。

  • 手に小さなイラストを書いてあげる。

子どもは頼られることや、物語の世界が大好きです。掌に小さくにこにこマークや、好きな動物などを書いてあげて、「うさぎさんが保育園に行きたいって。連れて行ってくれるかな?」「うさぎさんを〇〇先生に見せてあげよう。」などの声かけを喜ぶお子さんもいます。靴やお洋服に特別なワッペンをつけてあげることもいいでしょう。100均のもので十分です。

  • 保育園カード

電車が好きなお子さんには、Suicaなどの交通カードに見立てた【保育園行きのカード】を作ってあげると喜びます。お家の玄関に「ピッ」保育園の入口に「ピッ」どこか任意の場所を指定してあげると、楽しいです。カード入れ(なんでもOK)を用意し、「チケットはこちらに入れてください。」と声をかけると、入室時のカード回収もスムーズです。ベビーカーをハヤブサなどの新幹線に見立ててもいいですね。大人が駅員さんになりきって声をかけてあげてくださいね。

  • 先生にお手紙を書く。

大きい子向けですが、イラストやシール貼りなどしたものを持っていくという【目的】【楽しみ】ができます。「先生にあげようね。喜んでくれるかな?」想像すると楽しみになりますね。

  • 親子のスキンシップを取るのはご自宅で。

保育園に着いたら、泣いていても先生にお任せし、笑顔で早々に立ち去りましょう。【外で駄々をこねたら構ってもらえる】という認識になってしまうのが1番よくありません。駄々をこねなくても構ってもらえる】という安心感を育むことが大切です。

保育園は楽しい場所であること、先生は〇〇ちゃんのことが大好きで待っているということを伝えてください。

  • いつもと違う人に送迎をお願いする。

いつもお母さんの送迎でしたら、思い切って、違う人に頼んでみるのも良いと思います。

お父さんでも、祖父母でも、ベビーシッターに送迎のみ頼むことも可能です。私も実際シッターとして送迎を行っていますが、お母さんの気持ちと時間に余裕が生まれ、優しく接することができる、甘える時間ができるメリットがあります。お母さんにとにかく甘えたい、という場合、時間ぎりぎりまで甘えて、満足したところで自宅で別れるということが可能です。

3歳以上の場合

  • 子どもと向き合う時間を設ける。

上記の対策が有効なお子さんもいますが、基本的には何か違うもので誘導したり、気を紛らわせたりするのではなく、子どもの気持ちに時間をかけて向き合うことが大切です。朝は時間がありませんので、お休みの日や夜にじっくりと話をする時間をつくれるといいですね。

  • 担任の先生に相談する。

子どもの語彙力では、行きたくない理由を明確に言語化することが難しい場合も多いです。先生から園での様子を聞くと、新しい発見があるかもしれません。家庭でできること、園でできること、どちらもあるかと思います。子どもの育ちを共有できるといいですね。

  • 休ませる。

集団が好きな子もいれば、苦手な子もいます。大人も同じですね。

そういった場合には深刻に捉えすぎず、時々お休みの日を設けてその子の好きなことを思い切りする時間、ゆっくり過ごす時間をつくることがリフレッシュに繋がるかもしれません。

  • 保育士の不適切な関わり

本来あってはならないことですが、保育士の中には子どもへの不適切な関わりをしている人もいます。

感情的に怒鳴ったり、子どもを否定したり、子どもの人権を無視した関わりを平気でしてしまう人も。お子さんの言うことが全て真実かどうかは分かりませんが、まずはお子さんに詳しく事情を聞いたうえで、担任に事実確認をしてみましょう。担任に直接言いにくい場合は主任や園長が聞いてくれます。他の保護者の方に同じようなことがないか聞いてみるのもいいでしょう。それでも解決しなければ区役所へ相談することも一つの手です。

これは、ごく一部の保育士の話であり、基本的に担任の先生はお子さんを共に愛し成長を見守るパートナーです。わからないこと、おかしいと思ったこと、遠慮なく確認しながら担任との信頼関係を築きたいですね。

泣いて登園した子どもへの保育士の対応

担任に預けたら、笑顔で立ち去るのが良いと分かっていても、その後の様子が気になるのは当然のこと。登園後の子どもの様子保育士として心がけていることをお話しますね。

  • 早い子は保護者が見えなくなった瞬間に泣き止む。

保護者の方がまだ見えるうちから泣き止むお子さんもいます。何事もなかったかのように遊び始めるパターンです。この場合、登園拒否は長くは続きません。数日か数週間か。ニコニコしながら「今日は泣いてないよ」なんて言う日も近いかもしれません。(ぶり返すこともありますが)あと少しと思って気持ちを受け止めてあげてくださいね。

  • しばらく泣き続ける。

保護者の方から、体調や前日の過ごし方を聞いて問題なければお預かりします。泣き叫び、保育室から出ようとするお子さんもいます。保育士は子どもを抱っこして、できる限り集団から離れて落ち着いて過ごせる位置で涙が止まるまで、気持ちに寄り添います。担任が他の子の受け入れなどで持ち場から離れられない場合は、フリーの先生が泣いている子に寄り添ってくれることが多いです。涙が止まってからは、どうして泣いていたのか、話せる子からは理由を聞きつつ、お子さんの言葉を否定せずに受け止めます。当然ですが、保護者の方を悪く言うような言葉は使いません。

「ママパパも、〇〇ちゃんと一緒にいたいって思っているよ。〇〇ちゃんが大好きなんだよ。お仕事が終わったら来てくれるよ。」

「先生は〇〇ちゃんが保育園に来てくれて嬉しいな。だって〇〇ちゃんが大好きだから。来てくれてありがとう。」

お子さんが話した言葉を保護者の方にお伝えすることもあります。「頑張って来てよかったな」と思えるような1日になるように、心がけます。

子どもの視点に立つ

「子どもの視点に立つ」出来ているようで、難しい時があります。

ご家庭により様々な事情があるかと思いますが、子どもにとっては親が働くのも、保育園に行くのも親の都合です。厳しいようですが、少なくとも保育園入園は子どもの意思ではありません。

例えば

・「ママは忙しいからごめんね。」「お仕事をしないとお金がもらえなくて困るのはあなた。」と言うか。

・「ママ、パパは〇〇ちゃんが保育園で楽しく待ってくれているおかげで、大好きなお仕事ができるよ。本当にありがとう。」と言うか。

保護者の方の気持ちの持ち方一つで、お子さんにかける言葉は変わってくるかと思います。

お子さんに心からありがとうを伝えてみてください。どうしたら嬉しいのかを伝えてみてください。お子さんは、保護者の方が大好きです。保護者の方が喜んでくれることをしたいと思っています。

「ママは○○ちゃんがニコニコ楽しく保育園に行けるとすっごく嬉しいんだよ。今日なニコニコで行けたよってママに言おうね。」

実際に送迎シッターでお子さんに伝える言葉です。「ほら見て!ニコニコだよ!」と可愛い笑顔を見せてくれます。

登園の時は「ごめんね」ではなく「ありがとう」をぜひ伝えてみてくださいね。

自分(お母さん・お父さん)の視点に立つ

児童精神科医・佐々木正美さんの著書「子どもへのまなざし」にこんな言葉があります。

【自分が幸せな人ほど、相手を思いやることができる】

【幸せということは感謝ができること】

仕事や生活が辛い時、子どもに感謝を伝えるなんてできない!という方もいるかもしれませんね。

仕事への向き合い方は本当に人それぞれ。やりたい仕事がある人もいれば、労働環境重視の人も、そこで働かねばならない事情がある人も、長時間労働の人も、シングルの人も、育児に専念する人も。抱える事情も幸福の価値観も人それぞれ。限られた条件の中でも一度立ち止まって、自分が納得できる働き方・過ごし方を改めて考えてみることも大切です。

まずは自らの心と体の健康を第一優先に。

そして決めたならばぜひお子さんに、お仕事の素晴らしさや大切さを話したり、「〇〇ちゃんが待っててくれるおかげだよ」と伝えてみてくださいね。

まとめ

保育園や幼稚園への行き渋り・登園拒否は、1日だけということもあれば、1年間ずっとということもあります。どのお子さんにも理由があること、それを否定せず受け止めることが、気持ちよく登園できる為の第一歩となります。

一生懸命向き合ってもうまくいかない時もあります。親も子も疲れたら休みながら、そして時に周りの人やサービスに頼りながら過ごしていきましょう。

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