中間管理職のストレスが限界…管理職を辞めたいと思った時の対処法【降りた体験談】

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こんにちは!子育てキャリアナビ編集長のテラスです。

この記事は、管理職のストレスが限界で「もう管理職を辞めたい」「平社員に戻りたい」と考えている方に向けて書いています。

管理職を降りたいけど、甘えだと思われない?降りた後に後悔しない?

降りたら転職で不利になる?上司にはどう伝えればいい?
先に結論をお伝えします。
この記事の結論

  1. 管理職を辞めたいと思うのはおかしくありません。まずは「管理職を降りたい」のか「会社を辞めたい」のかを分けて考えましょう
  2. 眠れない・食べられない・出社がつらいなど心身に不調が出ているなら、対処法より先に休むことを優先してください
  3. 自分から管理職を降りた経歴は、転職でほとんど不利になりません。面接では、降りた当時の事情と、今はまたギアを上げて働きたいことを明確に伝えればOKです
私は上場IT企業の元事業部長で、スタートアップのVPを経て、現在はスタートアップの採用責任者をしています。

30歳で初めて管理職になり、事業部長として最大40名ほどの組織を率いました。そして、子育てを優先するために自分から事業部長を降り、1年もたずに退職した経験があります。

この記事では、管理職を降りた本人としての体験と、管理職経験者を採用する側の本音の両方から、管理職を辞めたいときの選び方を解説します。

※体験談や採用側の見方は、私自身の経験にもとづくものです(2026年10月時点)。会社や職種によって異なります。

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目次

管理職を辞めたいと思うのはおかしくない|データで見る管理職の負担

管理職をやっていれば、1度や2度は『管理職を辞めたい』と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

実は、私もそのひとりです。

中間管理職が疲れる・しんどい5つの理由

私の周囲の管理職に話を聞くと、管理職への不満やストレスは次のようなものが多いです。

管理職を辞めたくなる5つの理由
業務量が多い:会議と調整が増え、働く時間は長くなるのに残業代は出ない
上司と部下の板挟み:上からは数字、下からは不満。どちらにもいい顔ができない
部下の育成・評価がつらい:叱る、評価をつける、言いにくいことを言う機会が多い。ちょっとした発言がハラスメントと言われないかも怖い
責任が重く、相談相手がいない:業績のプレッシャーが平社員時代の比ではなく、求められる能力も幅広い
家庭やプライベートの時間がとれない:子どもの送迎や看病と、管理職の働き方が合わない
『あるある』と思った方も多いのではないでしょうか。課長クラスでも部長クラスでも、40代でも30代でも、こうした理由で管理職を辞めたいと考える人はたくさんいます。

データで見る管理職の負担

管理職の負担が増えていることは、調査データにも表れています。

産業能率大学 総合研究所の調査では、上場企業の課長の38.3%が「業務量が増えている」と答え、49.3%が「コンプライアンスが厳しくなっている」、44.4%が「知識やスキルの更新が常に求められている」と答えています。
出典:産業能率大学 総合研究所「第7回 上場企業の課長に関する実態調査」(2023年)

同じ調査の2019年版では、課長の仕事のうち平均49.1%がプレイヤーとしての業務で、59.0%が「プレイヤーの仕事がマネジメントに支障をきたしている」と答えていました。部下を見ながら自分も数字を持つ、いわゆるプレイングマネージャーの負担がはっきり表れています。
出典:産業能率大学 総合研究所「第5回 上場企業の課長に関する実態調査」(2019年)

あなたが「しんどい」と感じるのは、能力が足りないからではなく、管理職という役割そのものの負担が大きくなっているからでもあります。

『自分が管理職に向いてないのでは?』と自信をなくしている方は、決めつける前にミイダスの『コンピテンシー診断』でマネジメント資質を診断してみると良いかもしれません。

なお、そもそも管理職になりたくないという方に向けて、管理職を目指さないキャリアについて書いた記事もあります。

出世して管理職になりたくない人は増えてるけどキャリア的にどうなの?

まず確認:「管理職を降りたい」のか「会社を辞めたい」のか

「管理職を辞めたい」には、実は2つの意味があります。

①管理職という役割を降りたい(会社には残ってもいい)のか、②今の会社ごと辞めたいのか。どちらかによって、取るべき行動がまったく変わります。

次のチェックリストで、つらさの原因が「管理職という役割」にあるのか、「今の会社」にあるのかを切り分けてみてください。

つらさの原因チェックリスト
「管理職という役割」がつらい人
人を評価する、叱るといったマネジメントの仕事そのものが苦痛
現場の仕事(プレイヤー)に戻りたい気持ちが強い
子育てや介護など、今は仕事の比重を下げたい事情がある

「今の会社」がつらい人
権限がほとんどなく、責任だけを押し付けられている
上司や経営の方針に納得できず、相談しても変わらない
業務量や評価のされ方が、他社と比べて明らかにおかしい

「役割」に当てはまる人は、管理職を降りる、またはプレイヤーとして転職する選択肢が合います。「会社」に当てはまる人は、管理職のまま環境を変える(転職する)ことで、つらさが解消する可能性があります。

具体的な選択肢は、このあと比較表で詳しく解説します。

今すぐ休むべきサインと相談先

対処法や選択肢を考える前に、1点だけお伝えします。

次のようなサインが続いているなら、対処法を試すより先に休むことを優先してください。我慢を続けて心や体を壊してしまうと、取り返しがつかないからです。

今すぐ休むべきサイン
眠れない、夜中や早朝に目が覚めてしまう日が続く
食欲がない、または食べすぎてしまう
朝、会社に行こうとすると体が動かない
休日も仕事のことが頭から離れず、楽しめていたことが楽しめない
パワハラなどのハラスメントを受けている
こうしたときの相談先は、次のとおりです。

  • 医療機関:心療内科・精神科、またはかかりつけ医
  • 社内の窓口:産業医、保健師、人事の相談窓口
  • 公的な窓口:厚生労働省の「こころの耳」相談窓口(電話・SNS・メールで相談できます)

休職中の収入については、後半の「⑤休職か退職してしばらく休む」で解説します。

管理職を辞める前に試したい3つの対処法

管理職を辞めたいと思った時の対処法

心身にまだ少し余裕があるなら、辞める前に次の3つを試してみてください。

たくさんの管理職を見てきて気づいたのですが、管理職になる人は責任感が強いためか、自分で自分を追い詰める癖があります。『自分で自分を追い詰めること』をやめるだけで心が軽くなったり、状況が好転したりするケースを何度も見てきました。

①仕事を棚卸しして「自分だけでやらなければ」を捨てる(権限移譲)

よくある思い込みに、次のようなものがあります。

この案件は、自分(もしくは自分のチーム)だけの力で解決しなければいけない…

これを失敗すると自分のせいで、周囲に大きな迷惑がかかってしまう…

会社や上司は問題の解決を望んでいるのであって、あなた一人の力で解決してほしいと望んでいるわけではありません。

まずは抱えている仕事をすべて書き出し、「自分にしかできない仕事」「部下に任せられる仕事」「やめても困らない仕事」に分けてみてください。そのうえで、上司に自分に一番期待していることを聞いてみましょう。自分が思っているほど多くのことを期待されていないと分かるはずです。

管理職はチームで成果を出すことを求められています。プレイヤー時代のようにすべて自分でやる必要はありません。思い切って権限移譲していきましょう。

②上司・同僚・部下など誰でもいいので「周囲に助けを求める」(仲間づくり)

私自身これが苦手でしたが、実は一番効果があります。

管理職としてうまく立ち回れていないときは、周りが敵ばかりに見えます。でも、同じ会社の人は本来は仲間のはずです。思い切って上司・部下・同僚に「助けて」と言ってみましょう。相談に乗ってくれたり、仕事を手伝ってくれたりするはずです。

もし助けてくれる人が誰もいないなら、その会社は辞めたほうがいい可能性が高いです。厳しい状況が改善する見込みは極めて低いからです。

③管理職の悩みを相談できる「メンターを探す」

困ったときに相談できる経験豊富なメンターがいると、心がとても楽になります。

社内で結果を出している人、同じ業界の人、学生時代の先輩など、「こんな人になりたい」と思える人にお願いしてみましょう。お願いしてみると、案外快く引き受けてもらえるものです。

周囲にお願いできる人がいない場合は、『POSIWILL CAREER(ポジウィルキャリア)』のような、キャリアの専門家に相談できるサービスを使うのも一つの手です。初回面談は45分間無料で受けられます。

管理職を辞めるメリット・デメリット

勢いで辞める前に、メリットとデメリットを理解しておきましょう。

管理職を辞めるメリット
管理職特有の人間関係・ストレスから解放される
プレイヤーに戻り、専門性を高めて市場価値を上げる道を選べる
仕事の時間が減り、家族や自分の時間が増える
管理職を辞めるデメリット
役職手当がある会社では、年収が下がることが多い。その後の昇給もしにくくなる
自分で決めて動けなくなり、惨めな気持ちになることがある
転職時に「なぜ降りたのか」を説明する必要がある
年収については、会社の制度しだいです。私の場合、もともと役職手当がない会社だったため、事業部長を降りても年収は下がりませんでした。ただ、役職手当がある会社なら、その分は下がると考えておきましょう。自分の会社の給与規程を確認しておくと安心です。

金銭面に影響が出るケースもあるので、結婚している方、子育て中の方は家族と相談してから決めることをおすすめします。

管理職を辞めたいときの5つの選択肢【比較表】

管理職を辞めたいときのキャリアの選択肢は、大きく5つです。

選択肢年収周囲の目・ストレス向いている人
①降りて平社員として残る手当の分は下がりやすい周囲の目や惨めさを感じやすい会社や仕事は好きで、役職だけがつらい人
②降りて転職する一時的に下がりやすい人間関係がリセットされ、気が楽マネジメント自体が合わない人
③管理職として転職する維持・アップも狙える環境しだいで大きく変わるつらさの原因が「今の会社」にある人
④独立する不安定人間関係のストレスは減る社外でも通用する専門スキルがある人
⑤休職・退職して休む減る・なくなる心身の回復を優先できる心身に不調が出ている人、育児などを優先したい人

①管理職を降りて、平社員として会社に残る:私が降りた体験談

①は結論から言うと『あり』です。が、まあまあ『しんどい』です。

私は上場IT企業で事業部長をしていたとき、自分から事業部長を降りました。子どもが3人いて、まだ小さく保育園にも入れていなかったので、育児を優先したかったからです。

降りたあとは残業をまったくせず、時短勤務で働きました。子育てに向き合えたことは、今でもよかったと思っています。

ただ、仕事の面では想像以上にしんどかったです。

  • 自分では折り合いをつけて決めたつもりでも、1メンバーとして扱われることで、プライドは相当傷つきました
  • それまでは会社の中枢で大事な意思決定にも関わっていましたが、指示をされる立場になりました。自分で決めて動けず、人が決めた範囲で仕事をするのが非常にストレスでした
  • 周りからは育児の大変さも伝わっていて、可哀想とは思われていなかったはずです。それでも、勝手に惨めな気持ちを抱いていました
  • 新しい上司の方針に疑問を感じながら働くことも、フラストレーションになりました

最初は大好きな会社だったので、退職はまったく考えておらず、「一時的に降りる」つもりでした。でも、惨めな気持ちのフラストレーションが想像以上に大きく、1メンバーのまま長く働いても、この気持ちは続くと思いました。

結局、降りてから1年もたずに退職しました。

①を選ぶなら、「一時的に降りるだけ」と軽く考えず、降りた後に人の決めた範囲で働くことに自分が耐えられるかを考えてから決めることをおすすめします。

なお、降りたこと自体に後悔はしていません。子どもが小さいのはその時だけなので、その時間を大切にする決断ができたことは、今でもよい決断だったと思っています。

②管理職を降りるが会社に残らず、転職をする

管理職をどうしても辞めたい場合、①よりも転職するほうがストレスが少ないケースが多いと思います。

転職すると一度キャリアがリセットされるので、前職で管理職をやっていたかどうかを、周囲の人はあまり気にしません。周囲の目が気になることもほとんどないでしょう。

一方で、管理職ではない役割で転職するので、年収は一時的に下がる可能性が高いです。その点は覚悟したうえで選びましょう。

プレイヤーとして転職するなら、まずはミイダスで、管理職ではない役割でもどれくらいの年収が見込めるかを確認しておくと、家族とも話しやすくなります。

プレイヤーとして転職する場合に採用側がどこを見ているかは、このあとの「採用担当の本音」で解説します。

③管理職として転職をする:環境が変わると管理職は楽しくなる

「管理職を辞めたいのだから、③はないでしょう」と思うかもしれません。

しかし、③を選ぶ人は一定数います。管理職に求められることや環境は、会社によって全然違うからです。

私自身、退職してしばらく育児に専念したあと、スタートアップにVPとして転職しました。まだ5名ほどのチームでしたが、自分の思うように組織作りができ、3年半で約50名の組織に拡大しました。経営の意思決定にも深く関われて、上場企業の管理職とはまったく違う経験ができました。

管理職を辞めたいとはまったく思わず、むしろエキサイティングな日々でした。

チェックリストで「今の会社」がつらいと分かった方は、環境を変えるために転職するのが有力な選択肢です。

転職を検討する場合は、一度『リクルートダイレクトスカウト』と『ビズリーチ』に登録し、どんな求人があるのか知るところから始めましょう。

2つともハイクラス向けの転職サイトなので、管理職求人だけでなく、年収が高いプレイヤー求人も多いです。

リクルートダイレクトスカウト公式サイト : https://careercarver.jp/ ※【完全無料】リクルートダイレクトスカウトは、簡単な質問に答えるだけでレジュメが完成する、リクルートの転職スカウトサービスです。会員登録すると、リクルートがあなたの経歴を分析し、期待以上のスカウトが届き...続きを見る
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④独立してフリーランスとして働く

④を選ぶと、一時的にストレスは激減するケースが多いです。管理職特有の人間関係のストレス、数字のプレッシャー、激務が、獲得する案件しだいではありますが解消されるからです。

一方で、仕事の依頼が途絶える不安定さがあります。これまで会社が代わりにやってくれていた社会保険や年金、税金の手続きや支払いも、自分でする必要があります。家族がいる場合は、収入の不安定さを家族が不安に感じることもあるでしょう。いきなり独立するより、まずは副業で小さく始めるのが安全です。

⑤休職か退職してしばらく働かずに休む

⑤の選択肢も、場合によっては検討してください。

一番問題なのは、つらくてたまらないのに我慢し続けることです。病気になるくらいなら、休職か退職をして、一時的に休む選択肢を考えましょう。

会社の健康保険に加入していれば、病気やケガで働けない期間に傷病手当金を受け取れる可能性があります。条件や手続きは、加入している健康保険のサイトで確認するか、問い合わせてみてください。
参考:傷病手当金|協会けんぽ

また、心身の不調だけでなく、育児などを優先するために一度キャリアを止めるのも立派な選択です。私も事業部長を降りて退職したあと、育児のピークだったこともあり、しばらく働かない選択をしました。幸い副業が好調で一定の収入があったので、「仕事を辞めても何とかなる」という安心材料がありました。

収入が途絶える期間がある選択なので、貯蓄や副業など、生活の見通しを立ててから決めるのがおすすめです。

管理職を降りるときの手順と上司への伝え方【例文あり】

管理職を降りると決めたら、次の手順で進めましょう。

STEP.1
降りたい理由をはっきりさせる
「しんどい」だけでなく、育児・健康・専門職に戻りたいなど、具体的な理由を言葉にします。
STEP.2
就業規則と給与規程を確認する
役職手当や評価制度など、降りたあとの待遇がどうなるかを確認します。
STEP.3
直属の上司に相談する
いきなり人事ではなく、まずは直属の上司に相談します。
STEP.4
異動先・後任・引き継ぎを決める
降りたあとの役割と、後任への引き継ぎを上司と決めます。

上司の立場から見た「通る相談」と「通らない相談」

私は上司として、部下の管理職から「降りたい」と相談されたこともあります。

そのときに困ったのは、理由が曖昧なまま「しんどい」「辞めたい」と言われることです。これでは上司として対応しようがありません。

理由が「管理職であるがゆえ」のものなら、上司も致し方ないと判断します。逆に、何かの工夫やルール変更で改善できそうな理由なら、対話したうえで続けてもらう方向で考えます。

つまり、本当に降りたいなら、「工夫では解決しない理由」を具体的に伝えることが大切です。

私が事業部長を降りたときは、当時の上司(社長)に「育児を優先したいので事業部長を降りたいです」とストレートに伝えました。困った様子ではありましたが、子ども3人の育児の大変さは伝わっていたようで、「調整するね」と言ってもらえました。

ちょうど担当していた事業の1つを事業譲渡したばかりで、会社としても新規事業が大事なテーマだったので、新規事業側へすんなり異動できました。会社の状況やタイミングも、話の通りやすさに影響します。

上司への伝え方の例文

育児・家庭を理由にする場合

「ご相談があります。子どもがまだ小さく、今は育児を優先したいと考えています。今の働き方では管理職としての責任を十分に果たせないので、次のタイミングで役職を外していただくことは可能でしょうか。引き継ぎは責任を持って行います。」

専門職に戻りたい場合

「ご相談があります。マネジメントを経験して、自分はプレイヤーとして◯◯の分野で成果を出すほうが会社に貢献できると考えるようになりました。管理職を降り、専門職として働くことは可能でしょうか。」

健康を理由にする場合

「ご相談があります。ここ数か月、体調を崩しがちで、このままでは業務にも支障が出ると感じています。医師とも相談したうえで、一度管理職の役割を外していただけないでしょうか。」

採用担当の本音:管理職を降りた人は転職で不利になる?

ここからは、採用責任者として管理職経験者を面接している立場からの本音です。

自分から降りた人はほぼ不利にならない。降ろされた人は理由しだい

自分から管理職を降りた経歴は、ほとんど不利になりません。

私自身、事業部長を降りたあとに転職活動をしましたが、そのことを理由に落とされたことは一度もありません。採用する側としても、自分から降りた人がプレイヤー職に応募してきたことに、特に懸念はありません。

ただし、今後また管理職をやるつもりがあるのかというキャリアの志向性は、面接で必ず確認します。

一方で、会社から管理職を降ろされた人は、理由によっては採用が心配になります。会社が管理職を降ろすのはよっぽどのことなので、管理職としての適性がかなり低い、素行に問題があったなどの可能性を考えてしまうからです。

「降格」と「自分から降りた」は、採用側から見るとまったく別物です。自分から降りたなら、そのことを明確に伝えましょう。

面接では「降りた事情」と「今はギアを上げたいこと」を伝える

自分から降りた人の印象が悪くなるとすれば、「仕事へのコミットメントが低い人なのかな?」と思われることです。

それを避けるには、次の2点を明確に伝えることが大切です。

  1. 降りた当時の事情(育児、健康、キャリア志向など)
  2. 今は状況が変わっていて、またギアを上げて働きたいこと
面接での伝え方の例

「前職では事業部長をしていましたが、子どもが小さく育児を優先するため、自分から役職を降りました。現在は子どもも大きくなり、また責任のある立場で成果を出したいと考えています。」

管理職経験者の面接で必ず聞かれること

管理職経験者の面接で、私が必ず確認するのは次の2つです。

  • 得意な成果の出し方:プレイヤーとしてぐいぐいチームを引っ張るタイプか、自分はプレイングをせず、戦略や人を動かすことに集中するタイプか
  • 再現性:過去に管理職として成果を出していても、そこにはいろいろな変数があったはず。うちの会社でも同じように成果を出せるタイプか

面接の前に、この2つを自分の言葉で話せるように整理しておきましょう。自分の強みやマネジメントのタイプを客観的に言葉にしたいときは、ミイダスのコンピテンシー診断(無料)が役に立ちます。

「管理職がつらくて辞めた」人を管理職として採用するか

これは辞めた理由しだいです。

管理職といっても、会社によって求められることや仕事のスタイルは違います。私は辞めた理由を確認し、うちの会社でも同じフラストレーションが起きそうなら、お互いのために管理職としては採用しません。

逆に言えば、つらかった原因が前の会社特有のもの(権限がない、方針が合わないなど)なら、管理職として採用される可能性は十分あります。ビズリーチのようなスカウト型サービスに経歴を登録しておくと、管理職として声をかけてくる会社があるかどうかで、自分の市場での評価を確かめられます。

降りたあとに転職するなら、まず自分の市場価値を知っておくと安心です。『ミイダス』なら、経歴から想定年収を簡単に調べられます。

子育て・介護と管理職を両立できないとき

子育てや介護と管理職の両立に悩んでいる方は、とても多いです。

日本経営協会の調査では、女性管理職・管理職候補の77.4%が家事・育児・介護の5割以上を担っていると答えています。
出典:一般社団法人日本経営協会「女性管理職意識調査報告書2021」

私が事業部長を降りたのも、子育てが理由でした。子どもが3人いて、まだ小さかったからです。

振り返って思うのは、子どもが小さい時期は今しかないということです。その時間を大切にする決断ができたことは、仕事で惨めな思いをしたことを差し引いても、よかったと思っています。そして、ギアを戻して転職したときも、管理職を降りたことはマイナスになりませんでした。

子育て中に判断するときは、次の2点を考えてみてください。

  • 「今だけ」の負担か、長く続く負担か:子どもが小さい数年間だけなら、時短勤務や一時的な役職変更を相談する方法もあります
  • 降りた後の働き方に耐えられるか:私のように「一時的に降りる」つもりが、惨めさから退職につながることもあります。降りるか、両立しやすい会社に移るかを、はじめから両方考えておきましょう

両立しやすい会社に移るなら、リクルートダイレクトスカウトでヘッドハンターに「時短・リモート可」「残業少なめ」など働き方の希望を伝えておくと、条件に合う求人を探してもらいやすくなります。
子育てを機に管理職を降りた方たちのインタビューも参考にしてください。
【子育てと仕事の両立をインタビュー 】管理職を辞めた経験から得られたもの

子育てと両立しやすい職場を探すなら、ワーママ・ワーパパ向けの転職サービスをまとめたこちらの記事もどうぞ。
ワーママ・ワーパパにおすすめの転職エージェント・転職サイトまとめ【保存版】

管理職を辞めたいときのよくある質問

Q. 管理職を辞めたい、平社員に戻りたいと思うのは甘えですか?

甘えではありません。管理職は向き不向きがはっきり出る役割で、プレイヤーとして優秀なことと、マネジメントが得意なことは別の能力です。自分の向き不向きを確かめたい方は、ミイダスのコンピテンシー診断でマネジメント資質を診断してみてください。また、子育てなど家庭の事情で一時的に仕事の比重を下げたいのも、自然なことです。

Q. 管理職を降りると惨めですか?後悔しますか?

正直に言うと、私は惨めな気持ちを味わいました。周りからそう見られていなかったとしても、自分で決めて動けない立場になると、プライドは傷つきます。それでも、降りた決断そのものは後悔していません。降りた理由がはっきりしていれば、後悔はしにくいと思います。

Q. 管理職を降りると、給料はどれくらい下がりますか?

会社の制度によります。役職手当や管理職手当がある会社では、その分が下がるのが一般的です。私の場合は役職手当がなかったので、年収は下がりませんでした。降りる前に、給与規程を確認しておきましょう。

Q. 40代で管理職を降りると、キャリアに不利ですか?

自分から降りた場合は、ほとんど不利になりません。面接で、降りた当時の事情と今後のキャリアの方向性を説明できれば大丈夫です。不利になりやすいのは、会社から降ろされたケースです。40代は求人の数が絞られるので、ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトなどのスカウト型サービスで、経歴に興味を持った企業やヘッドハンターから声をかけてもらうのが効率的です。

Q. 名ばかり管理職の場合は、どうすればいいですか?

肩書きは管理職でも、権限や出退勤の自由がなく、待遇も一般社員と変わらない場合は、労働基準法上の「管理監督者」にあたらず、残業代を請求できる可能性があります。勤務記録を残したうえで、労働基準監督署などに相談してみてください。
参考:労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために|厚生労働省

まとめ:管理職を辞めたいなら、まず「何がつらいのか」を分けて考えよう

管理職を辞めたいときの考え方を、管理職を降りた本人と採用責任者の両方の立場から解説しました。

この記事のまとめ

  • 管理職を辞めたいと思うのはおかしくない。まず「役割がつらい」のか「会社がつらい」のかを分ける
  • 心身に不調が出ているなら、対処法より先に休む
  • 降りる・辞める前に、仕事の棚卸し、周囲への相談、メンター探しを試す
  • 平社員として残る道は「あり」だが、人の決めた範囲で働くしんどさは想像以上
  • 自分から降りた経歴は転職でほぼ不利にならない。降りた事情と、今はギアを上げたいことを伝える
どの選択肢を取るにしても、今いる会社がすべてではありません。働きやすい職場、働きがいを感じる職場は、世の中にたくさんあります。

「まだ転職すると決めたわけではない」という方も、転職サービスに登録して、自分にどんな声がかかるのかを見ておくだけで、気持ちに余裕が生まれます。

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勇気を持って、一歩踏み出してみてください。