【男性育休リアル体験記】1年育休取ってみて思うことを復帰直前に書き記す

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こんにちは!子育てキャリアナビ編集長の3boysパパ(@3boys.papa)です。

実はこの1年、育休を取っていました。

最近は育休を取る男性も少しずつ増えてきましたが、まだまだ珍しいようで『育休取ってるよ』と伝えると、多くのプレパパから育休に関する相談を受けるようになりました。

が、しかし、実際に取得する人があまりに少ない!

理由は様々だと思いますが、

・自分が所属する会社では育休が取れないと思い込んでいる
・育休の制度や仕組みがよく解らない

という方が私の周りには多いように感じています。

そういう私も育休取得前は、解らない事・不安な事が多くあり、身近に相談出来る人がいなかったため、かなり調べました。

それこそインターネットで公開されている情報だけでは理解できない事も多く、区役所やハローワークによく電話で質問していました。

その当時の私は、インターネット上にもっと育休に関する解りやすい情報があれば良いのに…という想いが強かったので、これから育休を検討する人のために、

・育休取得前に私が調べた制度まわりの情報
・育休中のリアルな体験記

を書き残しておきたいと思います。

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少し前置きが長くなりましたが、まずは育休の『制度』や『期間』に関する前提理解から始めましょう。

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まずは、育休の制度や期間を正しく理解

まず、育休とは『育児休業制度』のことを指します。

育児休業制度を正確に理解したい方は、厚生労働省が出している『Ⅱ 育児休業制度』を読みましょう。

読解難易度の高い資料でもあるので、概要を補足しておきます。

育児休業制度の概要
・育児休業制度とは、子供が1歳になるまで、育児休業が取得できる制度(保育園に入園出来ないなど一定の場合、最長2歳まで延長できる)
・母親だけでなく父親も育児休業を取得する場合、子供が1歳2ヶ月に達するまでの間に1年間取得することが可能(取得期間を調整できる)
・産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合、特別な事情がなくても再度育児休業が取得できる

育休は女性のための制度だと誤解している人がいまだに一定数いますが、制度上は男性も女性と同様に取得する事が可能です。

なお、男性が取得できる育休の期間は、原則1年間です。

期間について補足すると、父親のみ育休取得する場合は子供が1歳になるまでの1年間、夫婦で取得する場合は子供が1歳2ヶ月になるまでの間の1年間と定められています。

また、保育が受けられないなどの一定条件を満たす場合に限り、最長で子供が2歳の誕生日を迎えるまで育休を延長する事ができます。

なお、産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合に2回目の育児休業が取れる『パパ休暇』という制度もありますが、何らかの事情で2回取得したい思っている人を除き、頭の片隅みにおいておく程度の理解で良いと思います。

次は、男性の育休取得率の10年間の推移を見てみましょう。

男性の育休取得率
平成21年 1.72%
平成22年 1.38%
平成23年 2.63% ※岩手県、宮城県、福島県を除く全国の結果
平成24年 1.89%
平成25年 2.03%
平成26年 2.30%
平成27年 2.65%
平成28年 3.16%
平成29年 5.14%
平成30年 6.16%

※引用元 : 厚生労働省平成30年度雇用均等基本調査(速報版)/事業所調査 結果概要

男性の育休取得率は右肩上がり伸びており、平成29年前後に伸びが加速しています。

一見男性の育休は促進されているように見えますが、厚生労働省の調査(平成27年)によると約56.9%の方が5日未満、80%以上の方が1ヶ月未満の取得にとどまっているとの事で、長期で育休取得するのはまだまだ難しいのが現状のようです。

誤解している人が多いですが、男性も育休を取ると助成金がもらえます

先日、Twitterでこんな質問をしてみました。

育休に関心がある男性の40%以上が、育休中の収入に対する不安を持っているようです。

そういう方に詳しく話を聞いてみると、男性は助成金(給付金)がもらえないと思い込んでる方が多い事に気がつきました。

よって、この章では男性が育休中にもらえる助成金(給付金)について解説しておきます。

育休を取得するともらえる助成金を【育児休業給付金】と言います。

育児休業給付金は、所属企業からではなく国からの支援金として支払われます。

育児休業給付金の支給を受けるためには条件を満たしている必要があるため、ご自身が支給対象かは『厚生労働省の育児休業給付について』をご確認の上、自己責任で判断してください。

こんなの全部読んでられない!という方も多いと思うので、育児休業給付金についてこれだけは覚えてほしい内容を3つのメモにまとめました。

MEMO①
育児休業給付金の支給期間
男性の場合、子供の出産日当日から子供が1歳になるまでの1年間が支給期間です。(パパママ育休プラス制度を利用して育児休業を取得する場合は1歳2ヶ月までの1年間、保育所における保育の実施が行われない等の条件を満たす場合に限り1歳6ヶ月または2歳まで延長することが可能)
※令和元年8月1日時点
MEMO②
育児休業給付金の1ヶ月の支給額目安
・育休開始から6ヶ月間 : 休業開始時賃金日額×支給日数(通常30日)の67%
・育休開始から6ヶ月経過以降 : 休業開始時賃金日額×支給日数(通常30日)の50%
で計算された金額が支給される。(給付額の上限あり)
■支給例■
平均月額30万円の場合 : 前半6ヶ月間の支給額は月額約20.1万円、6ヶ月経過後の支給額は月額約15万円
※令和元年8月1日時点
MEMO③
給付額の上限
休業開始時賃金日額には上限があり、給付金額にも上限が設けられています。
給付率67%の場合の上限額 : 304,314円
給付率50%の場合の上限額 : 227,100円
※令和元年8月1日時点
※支給限度額は、毎年8月1日に変更される可能性があるようです

また、育児休業給付金以外にもう1つ育休を取得する際、金銭的メリットが大きいのが『社会保険の免除』です。

育休取得による社会保険免除の概要を日本年金機構のサイトから引用しておきます。

育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等期間について、健康保険・厚生年金保険の保険料は、被保険者が育児休業の期間中に事業主が年金事務所に申し出ることにより被保険者・事業主の両方の負担につき免除されます。

育児休業給付金 + 社会保険の免除のWコンボで、思ったより手取りが減らないと感じる育休取得者も多いようで、私もその1人です。

ご自身が育休を取得した場合の手取り額はぜひ一度計算してみることをオススメします。

ざっくりと計算するだけなら、育休本なども出版されているイミーさん(@13imi)が作った『育休シュミレーター』を使うと便利です。

なお、育児給付金は育休取得後の生活に関わる大切なものなので、不明点がある場合は公式に厚生労働省が出している資料を確認するか、お勤め先の本社がある地域のハローワークに電話確認するようにしましょう。

余談ですが、私の場合は副業収入があっても育児給付金の支給対象になるか不安だったため、ハローワークに電話で確認したところ、『労働契約を結んでいない副業の場合、副業収入がいくらあっても育児給付金の支給対象になるよ』と教えて頂き、安心したのを今でも覚えています。

副業をされている方も増えてきているようなので、ご参考まで。

育休取得前のキャリア不安との向き合い方

育休取得した当初、こんなツイートをしました。

男性で長期育休取得を検討をされている場合、キャリアへの影響を心配される方が多いです。

育休取得前の自分のポジションは、自分以外の誰かに穴埋めしてもらう必要があり、復職後に同じポジションに戻れる保証はないからです。

そういう不安は、誰しもあると思います。

しかし、考えてみてください、それは女性も同じなのです。

多くの女性がそういうキャリアの不安と向き合いながら育児をしているのです。

男性のあなただけその不安から逃れたいというのは、フェアではありません。

育休を取得する場合、男女問わずこの不安とは向き合わざるを得ないと思います。

私も育休を取得する際、自分のキャリアに何らか不利なことが起きることはあり得る。

いや、むしろ起きると思っておこうと覚悟したのを覚えています。

私の場合は、仮に不利なことが起きたとしても、仕事人生はまだ30年以上と長いので、どこかで巻き返すチャンスが必ず来る。

その時に帳尻合わせができれば問題ないと開き直ることで、その不安を克服する事ができました。

育休で周囲に迷惑がかからないように準備・工夫したこと

私が周囲に迷惑がかからないよう、意識的に準備・工夫したことが3つあります。

意識的に準備・工夫したこと
1.日頃から育休に関する関心を周囲に伝えておく
2.職場には可能な限り早く育休取得の意思と期間を伝える
3.育休中の収支を計算をし、計画を立てる

1つずつ解説してきます。

1つ目は、『日頃から育休に関する関心を周囲に伝えておく』についてです。

私は長男が生まれた時に1ヶ月しか育休を取らなかったことを後悔していたこともあり、『次に子供が出来たら1年間育休取りたい』と普段から周囲に話をして、育休キャラを定着させておきました。

これが思った以上に効果的で、上司はもちろん社長や同僚にもすんなり受け入れてもらえました。(と少なくとも自分は思っている)

妻が子供を授かった事を伝えるとイコール育休取ると解釈してくれるので、いざ育休の話を切り出しても社長・上司・メンバーの誰にも嫌な顔はされず、交渉をスムーズに進める事ができました。

次は2つ目です。

育休を取得すると決めたらまず始めにやるべきことは、可能な限り早く職場の関係者にその意思と期間を伝える事です。

私の場合、妻が安定期に入るとすぐに育休取得の意向を当時の上司に伝えましたし、期間を1年と定めていたため、社内異動もしくは中途採用で自分の代役を確保して欲しい旨を明確に伝えました。

実際、早めに伝えることで幾分かの混乱は避けられたと感じます。

半年くらい時間をかけて、自分が抜けた後の体制を整えたり後任を育てたり引き継ぎする時間があったからです。

途中色々ハプニングも起きましたが、たっぷりと時間があったのでしっかりと検討・対処していくことができました。

3つ目は、育休中の『収入』と『支出』を試算しておいたことです。

これは結構大事です。

うちの場合は夫婦でW育休なので、妻の育児給付金 + 私の育児給付金 – 毎月の支出という計算になりますが、ざっくり毎月いくら不足しているか、不足分の補填方法をどうするかを育休取得前に決めておきました。

我が家は、妻が心配性で貯金を切り崩して生活する事にストレスを感じそうだったので、+αの収入で補填することを目指し、育休に入るまで副業を頑張りました。

性格的・貯蓄額的に許せば、貯金を切り崩すでもまったく問題ないと思います。

男性育休のリアルな生活スタイル

育休中の生活スタイルは、子供によって手のかかる・かからないもありますし、兄弟の有無によっても全然変わってきますが、参考までに私の例をお伝えしておきます。

ちなみに、我が家は生まれたのが双子ちゃん&兄弟もいるパターンなので、かなりハードモードタイプだと思ってください。

どんな生活だったかな〜と振り返ってみても、双子が生まれてから半年くらいはほとんど記憶がありません…。

最初の数ヶ月は昼夜問わずやってくる3時間毎のミルクと朝寝・昼寝・夕寝・夜の寝かしつけと家事で1日が終わってしまう毎日でした。

自分の時間どころか睡眠時間も満足に確保できず、平均睡眠時間は2時間程度でした。

双子ということもあり、最初は妻と私で一人ずつ対応してましたが、夜は分担制にするなど工夫をし続けた結果、半年経った頃くらいから少しずつ人間らしい生活を取り戻すことができました。

半年経つまでは、それこそゆっくりご飯を食べる余裕もなく、たまに双子が同時に寝てくれた時に妻と交互で近くのラーメン屋さんに行くのが唯一の楽しみでした。

なお、私は会社から育児に差し支えがない範囲で少しだけ仕事してと頼まれ、このハードな合間を縫って仕事をしていました。

毎日23時に授乳を終え、2時に次の授乳の時間が来るわけですが、その間に仮眠せずに仕事をするようなスタイルです。

日中のmtg依頼も時々来ましたが、最初の頃はほとんど断ってチャットで要件送ってもらい、夜中に返信していました。

それはそれはハードな毎日で、少しだけ仕事をしつつ、基本的には育児・家事に分単位で時間を追われる毎日でした。

男性が育休を取って『良かった』と感じたこと

私は1年間育休を取ったので、良かった事も大変だった事も本当に色々ありましたが『良かった事』を3つ振り返ってみたいと思います。

1つ目は、『育児が最も大変な時期にその経験を母親に近いレベルで体験出来たこと』です。

以前より『育メン』と呼ばれる程度には家事・育児には関わっていましたが、今回ばかりは見える世界が変わりました。

24時間365日まったく子供から目を離せない母親の大変さは想像を絶するものでした。

とても神経を使うし、体力も使うし、休憩できないし、睡眠も十分に取れないしで、本当に本当に大変でした。

正直もう2度と経験したくないです…。

ですが、その母親の大変さを知れた事は今後のプラスになると確信しています。

育児の初期は、あまりの大変さや寝不足でイライラする事も増えて夫婦喧嘩もしましたが、この大変な時期を妻と一緒に乗り越えた事で結果的に夫婦の信頼関係はこれまでよりも強くなったと感じています。

2つ目は、『子供たちの成長を間近で見れたこと』です。

首がすわるところから始まり、寝返り、お座り、つかまり立ち、離乳食など子供たちが一歩一歩成長していく様を近くで見れたことは本当に幸せでした。

仕事をしながらでももちろん体験出来ることですが、その多くは妻から『今日初めて寝返りしたんだよ!』と聞く伝聞形式になると思います。

自分が第一発見者になれたり、それをすぐに妻と共有出来たりする感動は素晴らしいものでした。

この記事を書いている1週間後に私は職場復帰する予定なので、初めて立った・歩いた・喋ったは妻から聞くことになると思うと、少し悔しいというか寂しい気持ちがします。

3つ目は、『長男と一緒に過ごす時間が増えたこと』です。

育休を取ると、ほぼ毎日長男と一緒に晩ごはんを食べ、一緒にお風呂に入り、一緒に寝ることになります。

双子育児+長男のお世話はそれなりに大変でしたが、長男と毎日これだけ一緒に過ごせる機会はもうないと思うので、貴重な体験だったと思っています。

長男からするとパパが毎日家にいるのが当たり前になってしまっているので、復帰した後に少し寂しい思いをさせてしまうかもしれません。

それでも1年間、たくさんお話して、一緒に遊んで、一緒にご飯を食べれたのはとても貴重な経験でした。

職場復帰直前の復職に対する不安な気持ちについて

この記事を書いている今、ちょうど職場復帰まで残り1週間のタイミングです。

長い目で見た時のキャリアに対しては完全に開き直ってしまっているので不安はありませんが、復職に対する不安はいくつかあります。

1つ目の不安は『フルタイムで働きながら育児や家事の分担が上手くやれるのか?』です。

私が仕事復帰しても、家事・育児のタスクが減ることはありません。

平日の日中はその大部分を妻にお願いすることになり、妻の負担が爆増します。

我が家は双子なので、一般の家庭より負担が大きいため上手く分担する必要がありますが、フルタイムで仕事しながらの分担は未知の領域です。

育休が明けても週3リモート&残業しない日を作って可能な限り分担していくつもりですが、せっかく軌道に乗ってきた生活をまた一旦リセットしなければいけないことに対する不安は大きいです。

2つ目の不安は『その働き方が周囲に理解してもらえるか?』です。

育休中も少しだけ仕事をしていましたが、あくまで育休中なので、少々対応が遅れても雑でも多めに見てもらえていたと自覚しています。

復帰するとその甘えは許されません。

当然復帰したら仕事にコミットし、成果を出すつもりですが、周囲より働く時間が短かかったりリモートでの対応が増える事は避けられません。

長男がまだ小さい頃に残業しないようにしていたら『たくさんさんは毎日定時に帰っていいですね』とメンバーに言われた経験があります。

当時は毎日定時に一旦帰り、家事育児をして、その後もしくは翌朝4時起きでリモートで仕事をしていましたが、それでも周囲の理解を得るのは難しかったです。

これからの働き方で、周囲との人間関係が悪化しないかは懸念材料の1つです。

3つ目の不安は、スキルが極端に落ちていることです。

育休中の仕事は実務というより、評価関連・マネジメントタスク・トラブル対応系が中心で、実務はほぼやっていませんでした。

本業の仕事内容はWeb系ですが、Googleアナリティクスすらしばらく見ていませんので、ポンコツになっていると言って差し支えないでしょう(笑)

復帰直前なので少しリハビリはしていますが、SEO・データ分析・マーケティングなどWebの専門的な業務は1年のブランクがあり、最新情報にも疎く、キャッチアップには時間を要すると思います。

『あれ?この人、育休中に随分ポンコツになってるな〜』と思われないか不安でしょうがないです(笑)

まあ、そんなこんなで不安だらけですが、来週から職場復帰する予定なので、お仕事頑張ります。

かなり長文になってしまいましたが、それだけ育休中にはドラマがあったということですね。

私の育休経験談が育休を検討されている方の何らか参考になれば、この上なく幸いです。